趣味の製麺

家庭用手回し式鋳物製麺機(小野式製麺機など)を使った、自家製麺のラーメンやうどんをを楽しんでいます。

さるフェス用の『汁なしカレー坦々麺』を考える

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こんにちは。今年もどんどんフェスに出ていきましょうということで(なぜ?)、2019年の第一弾は『しりあがり寿presents 新春! (有)さるハゲロックフェスティバル'19』です。

www.saruhage.com2019年1月26日 [土]

開場15:30/開演16:00 ~終演27:00 [am3:00] 頃

新宿ロフト/東京都新宿区歌舞伎町1-12-9 タテハナビルB2

 

このフードブースは毎年カレー大会で優勝した人が中心になって盛り上げるのですが、それが二年連続でマダラさんになったので(私は負けました!)、そのお手伝いをしつつ、夜中に「汁なしカレー担々麺」をそっと出すことになりました。

■18:00~21:00
第10回さるハゲカレー大会優勝メニュー
マダラさん「カツオ出汁で炊いた牛すじのビリヤニ」
※売切れ次第終了

■21:30~24:30
玉置標本「汁なしカレー担々麺」
※売切れ次第終了

 

なんで「汁なしカレー担々麺」になったのかというと、オペレーション的にスープ有りが難しいのと、かといってパタンみたいに水で締めるのも難しい、ならば汁なし坦々麺がいいかなと思ったけれど、さるフェスといえばカレーなので、「汁なしカレー担々麺」にしようかなという流れです。

でも作ったことないんだよねー。坦々麺すら。ということで試作します。

坦々麺の作り方は『趣味の製麺6号』に載っている、まいけるさんのレシピ(うまい)を参考にしつつ、カレー仕様に変更してみましょうか。

www.seimen.club

スパイス香味油を作る

汁なし坦々麺の場合は、まずは辣油作りから(まいけるレシピだと辣油から作るんですよ)ですが、カレー坦々麺なのでスパイス香味油にします。分量はフィーリングです。

・油1000cc(別件で作って余った、ネギと生姜を煮込んだ油800ccにゴマ油200cc)
・八角4つ
・花椒11g
・カルダモン10g
・シナモン30g
・クミン20g ←後入れ
・マスタードシード20g ←後入れ
・クローブ6g
・ニンニクのみじん切り50グラムg
・生姜のみじん切り140g
・みかんの皮1個分
・ネギの小口切り1本

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全部を中華鍋に入れて、フツフツという火加減で煮ていくんですが、よく考えたらマスタードシートとクミンは後入れの方がいいかなと(そのまま食べられるので)、この時点では抜きました。

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やっぱり唐辛子要素も欲しいかなと、ホールの唐辛子を10グラム追加。

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さらに作りながら食べていたミカンの皮を1個分追加。合計2個分。

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なんとも言えない温まる香りが立ち込めてくる。やはり冬は花山椒と生姜と唐辛子が正義だな。

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30分の加熱だとちょっと早かったかな。

これをフタして半日ほど寝かせて抽出させてからザルで濾す。

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そこに抜いておいたマスタードシードとクミンを入れて、ジュワジュワっとさせたらスパイス香味油のできあがり。ちなみに辣油にする場合は、粉末唐辛子でどうにかします。

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肉味噌を作る

続いては肉味噌。これはとりあえずオリジナルのレシピを尊重してみましょうかと思いつつ、近所のスーパーには紹興酒が売っていなかったので、家にあった梅酒で作ります。ちゃんとしたレシピは『趣味の製麺6号』をチェックしてねということで、以下は私の覚書。

・スパイス香味油30cc
・生姜みじん切り30g
・ニンニクみじん切り8g
・豚挽肉380g
・梅酒20cc
・醤油20cc
・砂糖15cc
・甜麺醤30cc
・豆板醤5cc

まず香味油でショウガとニンニクを炒めて、香りが立ったら挽肉を投入。全体的に色が変わるまで炒める。

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調味料を全部入れる。煮詰めたいんだけど、挽肉からどんどん脂が出て、ぜんぜん煮詰まらない罠。まあ適当に。

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ところで甜麺醤という調味料、あまり使ったことが無かったんだかけど、舐めてみると甘くて滑らかな味噌という感じ。

材料を見れば、中国の大豆味噌、砂糖、胡麻、醤油といった感じなので、代用するなら味噌(色的には赤味噌かな)と砂糖とゴマと醤油でもいいかな。ただし配分は謎ですが。

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できあがった肉味噌を食べてみると、これがかなり甘い。メインの調味料である甜麺醤が結構甘いからこうなるよね。それに紹興酒じゃなくて甘い梅酒を入れちゃったし。味の支配は甜麺醤で、そこにちょこっと豆板醤の辛味が加わっているという感じ。

レシピ通りの坦々麺だと、この甘い肉味噌と花椒の効いた痺れるタレが合うんだけど、カレー坦々麺だとどうなるのかね。

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タレを作る

続いてはタレ。これもレシピを元にスーパーで買える範囲の材料でカレー坦々麺用に改造します。

まずバタピーを粉砕。なぜなら無糖ピーナッツペーストがなかったから。

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・干しエビ10g
・熱湯45cc
・すりごま10g
・オイスターソース6g
・米酢8g
・粉末トリガラスープの元10g
・砂糖5g
・醤油5g
・粉砕したバタピー10g
・ねりゴマ5g
・豆板醤3g
・S&Bカレー粉2g
・ターメリック1g
・クミン1g
・レッドペッパー1g
・スパイス香味油45cc

まず熱湯で干し海老を戻す。本当は水かぬるま湯でじっくりどうぞ。

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エビの戻し汁と材料を全部混ぜて、レンチンで加熱。以上。

作り方は簡単なんだけど、問題は足したスパイス類の配合だよねー。この時点でタレだけなめてみると、すごくうまいけど、もっとカレー味がいいんだろうなーという感じ。

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ターメリック麺を作る

続いては麺。うまい麺を食べさせるのが目的なので、もちろん製麺機で作る自家製麺です。カレーなのでターメリックを入れてみましょうか。ターメリックライスならぬターメリック麺ですよ。前にカレーうどんを作った時にやったかな。

・中華麺用粉(特ナンバーワン)500g
・粉末かんすい5g
・ターメリック5g
・水185g

本当は多加水麺がそれっぽい気もするけれど、運用を考えるとくっつきにくい麺がいいかなと、とりあえず37%の加水率で。

粉を量って、そのボールでそのまま水とかんすいとターメリックを混ぜようとしたら、あれ????赤??

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ターメリックはウコン。ウンコじゃないですよ。ご存知の通り黄色の粉なんだけど、紅に染まった俺の水、慰めるやつはもういない。血便?いやウンコじゃないってば。

かんすいのアルカリ成分がウコンと反応して、赤くなったんだろうかね。まあいいかと気にせず水回し。粉500gなのでニーダーを出さずに手で回します。

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白い粉+赤い水=ピンク。

うーん、イチゴ味みたいだな。

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フリーザーバッグに詰め込んで、踏みつけて麺帯に。

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これを小野式2型製麺機の幅広いローラーで伸ばしていくと、豚バラスライスしゃぶしゃぶ用ができましたよ。わお。

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これを麺にしないで本当にしゃぶしゃぶにしたら面白そうだけど、それは次回の課題として、トーカイ麺機さんから購入した1.5mmの切刃でカット。本当は太麺がうまいんだろうけど、茹で時間短縮のためでございます。

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試食してみよう

これで、肉味噌、タレ、麺という三種の神器ができたはず!

ということで麺139gを茹でて(2分半)、オペレーションの都合を考えてスパイス香味油15ccでまず和える。

おっと乳化してベトベトになってしまった。あわあわ。そして麺がキモい。

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まあいいかとタレ70ccと肉味噌30gを盛りつけて戻したエビを添えたら一応完成……なのかな。

これは本当に私がイメージしていた「汁なしカレー坦々麺」なのだろうか。

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とりあえずよく混ぜて食べてみると、タレが絡んだ麺がすごくうまいけど、ちょっとしょっぱいな。

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ならばとタレを改造。タレ30gを水30gで割り、油15ccを足してみる。麺は100gと控えめ(2杯目だから)。

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なんというかボロネーゼ。パスタか。

うまいけど、ちょっとタレが薄すぎるかな。汁しというには水気が多い、坦々麺というには痺れが足りない、ナッツがもっとほしい。うーん、やり直し。

タレを作りなおしてみよう

そして翌日、ちょっとタレを見直してみましょうか。干し海老はカレー味に対して要素が多すぎる気がしたので、なんとなく無しで。

・すりごま12g
・オイスター10g
・米酢15g
・粉末鶏ガラスープの素10g
・砂糖5g
・醤油10g
・ねりゴマ5g
・豆板醤3g
・S&Bカレー粉3g
・ターメリック1g
・クミン2g
・レッドペッパー2g
・水100cc
・スパイス香味油30cc

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これを一煮立ちさせて粉っぽさを飛ばす。

仕上がったタレは190gでした。

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このタレで本番と同じ麺の量(ハーフサイズ)で作ってみましょうか。バタピーを後乗せして、彩りの野菜も乗せてみたいよ。

・生麺70g
・肉味噌40g
・タレ50g
・粉砕したバタピー10g
・レタス適量

適当なトッピング野菜が無くて、冷蔵庫にあったレタスを刻んで乗せたためか、これってタコライスの麺版ですね。麺が一日寝かせたら、普通の色になった。

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なかなかうまいんだけど、このタレに対しては肉味噌甘いか。そしてタレの味がちょっと薄い。カレー粉と鶏ガラの元を倍に増やしたほうがいいかな。

あ、どこにもコリアンダーが入っていないじゃないか。物足りなさの原因はそこか。

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S&Bの四川風辣油を足すと一気に坦々麺らしくなる。これは用意してお好みでかけてもらおう。山椒油もいいですね。

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肉味噌を作りなおす

やっぱりカレー味のタレに対して、甘い肉味噌は合わないかなということで、肉味噌も作りなおしてみましょうか。もはや肉味噌というかシンプルなキーマカレーです。あるいはカレーそぼろ。

・スパイス香味油30cc
・マスタードシード5g
・クミン5g
・玉ねぎのみじん切り一個分
・ひき肉300g
・カレー粉10g
・醤油30cc
・生姜5g
・ニンニク5g

香味油でマスタードシードとクミンを炒め、タマネギも炒める。

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残り全部入れて炒めたらできあがり。簡単。

仕上がりは400g。

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今度はどうですかね。修正したタレと肉味噌で試食してみましょう。彩りはパクチーがいいんだけど、嫌いな人もいるので水菜で。本番は未定。

・生麺70g
・肉味噌40g
・カレー粉と鶏ガラスープの素を少々追加したタレ50g
・粉砕バタピー10g
・水菜

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うまい。ようやく「汁なしカレー坦々麺」として、まとまってきたんじゃないでしょうか。肉味噌はもうちょっと辛くてもよかったか。カレー粉かレッドペッパー増やしたい。そしてこっちに花椒を効かせるか。タレと肉味噌の味が似てしまって、コントラストという点ではつまらないんだけど、全体の印象をカレー味にしようとすると、こうなっちゃうなー。

ということで、これの修正版で本番は挑みます。

本番の分量

50食分で計算してみよう。麺70g、タレ50g、肉40gとするならばだ。

■麺:3.5キロ弱
・小麦粉2.5kg
・かんすい25g
※加水率36%とちょっと下げて、ターメリックなしで。

■タレ:2.5キロ(試作が4人前なので12倍ちょい)
・すりごま150g
・オイスター120g
・米酢200g
・粉末鶏ガラスープの素250g
・砂糖60g
・醤油120g
・ねりゴマ80g
・豆板醤40g
・S&Bカレー粉80g
・ターメリック12g
・クミン25g
・コリアンダー25g
・レッドペッパー25g
・水1200cc
・スパイス香味油360cc

■肉味噌:2キロ(試作が10人前なので5倍)
・スパイス香味油150cc
・マスタードシード25g
・クミン25g
・玉ねぎのみじん切り5個分
・ひき肉1500g
・カレー粉50g
・花椒粉末25g
・レッドペッパー25g
・醤油150cc
・生姜25g
・ニンニク25g

■トッピング
・バタピー粉砕500g
・水菜など適量

■その他
・容器50
・はし50
・四川辣油2ビンくらい
・カセットコンロ、麺茹で鍋、肉温め鍋、オタマ、すいのう、混ぜるボール、トング、盛り付けスプーン、計量スプーン、はかり、など。

 

あとは本番で調整ということで。

よろしくお願いいたします。

 


※ちょっと買い物しませんか※


 

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