デイリーポータルZというサイトで、「かんすい」についての調査レポートを書きました。
せっかくなので書ききれなかった部分を補足します。
■木灰をつかった中華麺
かんすいの紀元について書いてますが、木や草を燃やして、それの灰を水に溶いて、上澄みを使う方法もあるようです。灰のアルカリ成分をかんすいとして使うという訳です。この方法も中国が発祥なのでしょうが、日本では沖縄そばの製造方法として活用され、今でも伝統の味として、木灰で麺を作っている店もあるようです。
詳しくは 日本最南端の麺文化「八重山そば」 という記事をどうぞ。
■炭酸ナトリウムの作り方
かんすいの主な原料である炭酸ナトリウムですが、重曹(炭酸水素ナトリウム)を粉の状態で加熱すると、炭酸ナトリウムになると加藤まさゆき先生に教えてもらいました。かんすいが必要な方は重曹を乾煎りしてみてください。まあ重曹のままでも中華麺になりますけどね。
■ちゃんぽんのかんすいは「唐灰汁(とうあく)」
長崎のちゃんぽん麺は、唐灰汁(とうあく)という独特のかんすいを使う用です。
瑞泰號製麺所のサイトによると「その起源は中国奥地のカン湖(塩湖)から湧き出た天然の混合炭酸塩を水に溶かしたものです」とあります。
成分的にはラーメン用のかんすいが炭酸カリウム多めなのに対し(様々ですが)、ちゃんぽん麺用の唐灰汁は炭酸ナトリウムがほとんどのようです。
公正競争規約によると、
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長崎県内で製造されたもの小麦粉
たん白質8.5%以上
灰分0.40%以下
唐あく水ボーメ3°~4°
切歯番手16 番丸歯
蒸し、ゆでの場合 十分アルファー化されていること
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となっています。唐灰汁の濃度が低く、丸麺なんですね。
丸歯だと家庭用製麺機で作れないなー。
■無かんすい麺
かんすいを使わないで、卵などを入れてラーメン用の麺を作る「無かんすい麺」を出す店もありますね。
かんすいを使わないとルール的にはラーメンを名乗れないみたいですが、個人的にはかんすいを使わないラーメンに挑戦するのも楽しそうだなと思います。ただ、かんすいを極端に悪者扱いするのはどうかと思いますが。
■モンゴルかんすい
内モンゴルで採れた天然のかんすいも、かんすいとして認証されているようです。
「蒙古王かんすい」という商品になっていました。その成分は炭酸ナトリウム100%のようです。
炭酸ナトリウムと炭酸カリウムで作った麺、どれくらい違うものなのですかね。
趣味の製麺5号では、かんすい食べ比べをやろうかなー。