ツイッターを眺めていたら、亀戸に「TSURUMEN TOKYO」というラーメン屋ができて、そこが小野式製麺機3型で麺を作っているそうだ。亀戸で鶴麺って鶴亀で縁起がいいですね。
製麺の最後は、
— Tsurumen Tokyo (@tsurumen_tokyo) September 3, 2020
薄く伸ばしてうすく伸ばしての繰り返し。その後、提供前にお客様の目の前で麺状に切り出しさせて頂きます!!
この製麺機は小野式といいまして昭和時代のビンテージ家庭用製麺機です。
この小さくてかわいい小野式で一つ一つお作りしています! pic.twitter.com/mTxa8TFHIP
小さくてかわいい小野式?
なんでもアメリカのボストンからの逆輸入ラーメン屋さんで、「1000日限定、1日2時間営業、予約制のラーメン店」なんだとか。アメリカ人に人気のラーメンということなのかな。
そしてヘンゼル、いやGLAYのTERUさんが開店してすぐに来て、インスタにアップしたことで話題なのだとか。
あまりラーメン屋さんにはいかないのだが、これはちょっと行ってみるかと調べたら、コースがなんと3800円。飲み放題つきとかではなく、ラーメンのコースだけで3800円らしい。今って1ドル380円とかだっけ。すごいな逆輸入。
ちょっと、いやかなり高い値段設定だけど、それが逆に気になったので某マダラさんを誘っていってみた。
食べたいから~~オープンから15日目、19:15の回を予約。
場所は亀戸駅から北西にちょっと歩いたところ。
それにしても3800円か、隣の整体でいうと45分くらいだろうか。
早く着いたので、外からちょっと見学。
奥に3型が見えてかっこいい。
一日2時間の営業ということは、1時間の2回転なのか。
我々の前の回の人がまだちょっと残っていた。
時間になったところで呼び込まれて入店。
カウンター6席、テーブル4席の合計10席のみ。満席。
コースは完全予約制なので、誕生日でもないのにプレートが用意されていた。
なんだか照れる。さすがアメリカはボストンからの逆輸入。
ここでの我々二人は「ツイッターで見てきた一般客」である。
とりあえずドリンクメニューをみると、アメリカンなミラーが600円、アメリカンなIPAが700円。ビールの値段はそこまで高くないんだな。
と見ていたら、その下のニューイングランドIPAが3000円。
私は詳しくないのでわからないけれど、ビール好きにはとても魅力的なものだと思われる。
なんて感心していたら、その下にはなんとシャンパン20000円。ゼロの数を間違えそうになったぜ。
700円のIPAビールにしてみました。
グレープフルーツのような苦みが美味しい。
マダラさんに3000円のビールを勧めたけれど、アメリカンだからミラーだそうです。
壁にはオーナーと思われる人の写真が。
ボストンの新聞からのインタビューかな。
「マダラさん、あれ何が書いてあるんですか?」
「あー、ちょっと目が悪くて見えないですね。視力さえよければなー」
一息ついたところでメニュー表をチェック。
文字情報大好き。
なぜ1000日営業なのか?
例のワニさんよりも先なのか?
なぜ2時間営業なのか?
なるほどー、いろんな考え方がありますね。
コースの内容を確認。
サラダ、ワンタン、ラーメン、ライスという組み立てのようだ。
ちなみにラーメン単品は1800円。
そちらは予約ができないっぽいけれど、そのシステムはよくわからないっす。
コースとの差は2000円ですね。
LOVE & CURIOSITY、愛と好奇心?(ピンボケしました)
まずはサラダ。
ラーメンで不足しがちな食物繊維を食べていただく野菜の一品
広島県の梶谷農園の無農薬ハーブだそうです。
ハーブのフレッシュな風味と驚くほど甘いイチジクの組み合わせが新鮮。
この後にワンタンとラーメンを食べるのか。
続いてはワンタン。
滋賀県淡海地鶏のミンチに松茸を練り込みました
ラーメンに入れてワンタン麺としてもお楽しみいただけます
まずは松茸のプレゼンテーション。国産ではなくアメリカのメイン州産松茸だそうで、醤油っぽいちょっと変わった香りがする。
ラーメンのスープにこの松茸が使われており、その煮込まれたものがワンタンに入れてあるそうだ。
ワンタンにオリーブオイル、白髪葱、塩、胡椒かな。
私が知っている松茸とは風味が違うけれど、キノコと鶏の組み合わせがおいしい。
粗挽きでゴリゴリ感のある具がうれしいね。
そしてなんといっても皮がテロンとしていてうまい。ワンタン大好き。闇ワンタン会やろうかな。
続いてはお待ちかねのラーメン。
手捏ね、手打ちのしなやかな麺(小麦粉説明)、
淡海地鶏の黄金の鶏油、霧島高原ロイヤルポークの肩ロース、
干し松茸の一番だし、野尻醤油2年熟成木桶仕込み、
シンプルのその先に広がる小宇宙
おおお、小宇宙。やはりコスモと読むべきだろうか。
小麦粉は北海道産の「春よ来い」に全粒粉10%配合とのこと。
麺帯の状態で二日寝かしたといっていたかな。
ラーメンを作る前に、事前に伸ばしておいた生地を小野式製麺機3型で切り出す。
一人前ずつなので3型だと製麺は一瞬だ。
できあがった麺をプレゼンしていただく。おー。
麺帯を薄めに伸ばした、ちょっと多加水の平打ち麺かな。
切ってすぐ茹でるから打ち粉が要らないんですね。
はい、小宇宙が登場!
なるほど、これはキノコと地鶏のラーメンだ。
「最近の節を効かせたラーメンと違って、あえて節を使わないことで個性が出ていますね」と某マダラさん。引き算の美学かな。
塩分薄めのスープに合わせてなのか、薄くてペラっとしたタイプの麺だけれど、しっかりと腰がある。全粒粉入りなのにツルツル。さすがつるめん。
飲み干せるスープで麺をおいしく食べさせるのって、バランスがすごく難しいのよね。
「こういう店だから絶対レアチャーシューかと思ったら、しっかりスープで煮たタイプ。ちゃんと火を通した豚ってうまいですよね!」と某マダラさん。
さっきワンタンを食べたけれど、こっちのラーメンにもワンタンが一つ入っていた。
スープでワンタンが温められることで具の香りが引き立ち、松茸感がぐっと引き立っている。
不思議と香りが醤油っぽいアメリカンタイプの松茸なので、醤油味が合うワンタンなのかもね。
麺と具を食べ終わったくらいのタイミングでライスが登場。
食べれば食べるほど自然環境再生、
希少動物保護に貢献できるサスティナブル米、
兵庫県豊岡のコウノトリ米を使った〆のご飯
スープと交互に食べるご飯がうまい。
なにかおかずが欲しい感があるかも。
〆のライスを食べたところで、店員さんが小声でささやく。
「〆の〆がありますけれど、いかがですか?」
はい、よくわからないけどお願いします。シャーベットあたりかな。
出てきたのはヤマイモを芯にした煮豚の海苔巻き、黄身醤油掛け。
〆の〆というか、まさかの飯と飯ですね。
ということで、ごちそうさまでした。
久しぶりにスープを完飲。
丼の底に文字はなかった。
以下余談。
食べ終わってから製麺機を見学させていただく。
小野式製麺機3型いいなー。すごくきれい。
なんでも昭和初期の製麺機だそうで、オーナーのおじいさんがハワイで使っていたのを引き継ぎ、それをボストンの店で使っていたものが、こうして亀戸に至るのだとか。
板のカスタマイズがチャームポイント。
オリジナルなんだろうか。
ロットナンバーは108222。
3800円のラーメンコース、食事としては高いけれど、体験としてとてもおもしろかった。
ラーメンとはなにか、外食とはなにか、値段設定とはなにか、希少価値とはなにか、いろいろ考えさせてもらえるお店だ。
どうしてこの味、このスタイルに至ったのか。そういうストーリーを想像しながら食べるのが楽しい。それってラーメンハゲ芹沢さんがいうところの、情報を食べている系の楽しみ方だけどね。
本店では200日ごとに味が変わるそうなので、この店もそのうち変化があるのかも。
※撮影、SNSへの掲載はOKだそうです。
亀戸はいい街ですね。
マダラさんとニコニコしながら帰りました。
※ちょっと買い物しませんか※
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