うーろんさんから手打ちうどんと手打ち冷麦(麦切)の打ち方を習ってきた。
すっごく勉強になったので記録に残す!
本日の小麦粉は2種類
うーろんさんが内外製粉「伊勢の栞」。
灰分0.36%、蛋白8.1%の三重県産小麦。メーカーの説明によると「ツルミとソフトな食感のある麺に仕上がります」とのこと。ツルミって初めて聞くけど、なんとなくわかる。
私は岩手ネバリゴシ(憧れの品種!)を使わせていただいた。
岩手県産の低アミロース品種(モチ系)。
10%の塩水を総加水率48%(小麦粉の重さの48%)の打ち水で。総加水率は季節や天気によって加減する。
打ち水の重さを計算して、その1/10の塩を計って、そこに水を入れて打ち水の重さにする。
■例:粉1㎏×48%(0.48)=塩水480g=塩48g+水432g
■例:粉500g×48%(0.48)=塩水240g=塩24g+水216g
生地の水回しをする
ちゃんと量って(500g)、粉はふるっておく。
うーろんさんは捏ね鉢を私に貸しているので、製麺機……ではなく洗面器で。
蚊取り線香のようにぐるぐると細く渦を巻き、量った打ち水を全部入れちゃう。
そして洗面器(捏ね鉢)をフルフルと揺すって、水と粉を優しく触れさせる。
この技は見たことないなー。
ボウルを左手で回しながら、優しく右手の指先で粉を弾く感じで水回し。
手はなるべく濡らさない。洗面器の大きさだと素人なら粉300gまでが適量。
うーろんさんみたいに500gやるとテーブルが粉だらけになるよ。
全体を大きくかき混ぜて、パラパラかつ全体が湿った「そぼろ」状態にする。
私もやってみます。
パラパラにはなるけど、湿った状態にならずに粉が浮いた感じなっちゃうな。謎。
そぼろ状の生地を10~30分、なんなら冷蔵庫で一晩寝かせる。
乾かないようにビニールを掛ける。
足踏みにも使うヘイコーポリNo.620がオススメとのこと。
寝かしたそぼろをまとめる。
とりあえず塊になればOK。
足で踏む
袋に入れて中央に置く。
足で踏んで、生地が広がるだけいっぱいいっぱい広げる。
広がり切ったら三つ折りにして、さらに三つ折りにして、袋に戻してまた踏む。
これを3回くらい繰り返す。
だんだんと硬く育っていくのがおもしろい。
私の腹筋もこれくらい簡単に鍛えられないだろうか。でも踏まれるのはきつそうだ。
踏んだ生地を丸める(ヘソ出し)
踏んだ生地を伸ばす前に丸める。
これもちょっとコツがあった。
※調理担当ゆーきさんの愚痴らしき音声は無視してください。
以下、説明。
7:3くらいのところで折って右の掌底で押し込む。
パンクラスの試合みたいですね。
角度を変えて5回くらい折って塊にしていく。
そのまま二周目。
折った生地を右手の掌底(手のひらの付け根)で押しつつ、左手の親指で中央に押し込んでヘソを作る。
生地を横に転がしながらヘソ側をとがらせる。
ヘソを下にしてちょっと押し付ける。
こっちが表となる。
裏のヘソ側。
すごい!これがヘソ出しか。
これを袋に入れて10~30分、なんなら一晩寝かせる。ぐー。
麺棒で生地の角を出す
うーろんさんは最初から生地の角をだしていく方式。
裏にあるヘソを潰すように掌で押す。
麺棒のセンターを生地の中心よりちょっと上に横方向で置き、気持ち前方にグイっと体重をかけて、生地を前方向に伸ばす。
麺棒はまだ転がさない。「押して、ちょと前に移動」を繰り返す。
生地を180度回転させて、残りの半分(さっき下だった側)を押して伸ばす。
小判型に伸びた生地を90度横にして、同じように押して伸ばす。
生地を180度回転させて、残りの半分を押して伸ばす。
生地の凸凹を潰すように、麺棒を前後に小さく行ったり来たりさせながら動かす。
これも180度、90度、180度と回転させて4回やる。
この時点できれいな四角(菱形)にするのがポイント。
打ち粉(打ち粉専用澱粉)をする。
麺棒に下から巻く。
生地を巻きつけた麺棒を、前に力強く転がす。
手の位置は巻いた生地の端を意識しつつ、外側から内側へとハの字(打つ人から見て)に動かす。生地を縦(上)方向に伸ばすイメージ。
180度回転させて伸ばし、90度横にして伸ばし、180度回転させて伸ばす。
これで四角い生地ができたはず。
麺棒で生地をのす(伸ばす)
今度は生地を麺棒に対して斜め45度ではなく平行に構えて大きく伸ばす。
正方形に伸ばした生地を麺棒と角度をつけずに巻き付け、手の位置を中心から外に向けて(逆ハの字)前に力強く転がす。
生地を横(左右)方向に伸ばしていくイメージ。
90度回転させて伸ばし、90度回転させて伸ばし、90度回転させて伸ばす。
生地の向きを変えるときは、麺棒に巻いた状態で縦にして、生地を広げる。
厚さ2㎜くらいに伸びた状態。厚さはお好みでどうぞ。
生地の厚みを計る道具、便利。
私でも2.5㎜まで伸びた!
生地を切る
麺類用の真っ平なまな板、麺切包丁、駒板を使う。
道具が微妙だと、麺が切り切れない。太いうどんなら駒板は不要。
生地に打ち粉をして、まな板に横N字に折りたたんで置き、駒板に包丁を添えて切る。
包丁を前方向へ押切り、そのまま包丁を駒板側にちょっと倒して駒板を左に動かす(次に切る麺の太さ分だけずらす)。
駒板を抑える手はハンセン(ウィー!)で力は入れない。手を置く場所は駒板の枕からちょっと離す。
押し切って、倒して、押し切って、倒して、押し切って、倒して、押し切って、倒して、押し切って、倒して、押し切って、倒して、押し切って、倒して、ふぅ。
折りたたまれた一番上を広げて、麺を掴んでパタパタと断面に打ち粉をはたく。
生地の残りが少なくなってきたら、駒板の左側が浮かないように(下に生地がない状態なので)板の左寄りを抑える。
私も切ってみました!
人生で一番きれいに打てたかも!たのしい!
「すったて」で食べます
細めに打った麺を「すったて」とか「冷や汁」とか呼ばれる食べ方で食べます。
ゴマを摺って味噌と合わせたものとかつおだしで割って、生野菜を混ぜて食べるものらしいよ。
あと「かぼすうどん」ならぬ「ゆずうどん」でシンプルに。
準備はゆーきうさぎさんが担当。
茹で上がった麺を洗面器で洗う。
これぞ洗麺器!!!!!!!!!!
たっぷりの水でぬめりをしっかりとる。力は入れない。
できた!
私が打ったネバリゴシ!茹でると太くなる!
うーろんさんが打った伊勢の栞!美しい!
断面がグイっと盛り上がった手切りならではの麺がかっこいい!
どっちもモニュモニュでうまい!ツルミ最高!
すったてもおいしい!
すったての二杯目は野菜を潰すタイプ!
これもまたうまい!
ウーロンさんのレシピだと、炒り胡麻を摺って胡瓜を潰して、味噌とめんつゆを入れて、そこに刻んだ生野菜をいれるとのこと。夏に最適。
手打ち冷麦も作りました
最近は蕎麦打ちにもハマっているうーろんさんは冷麦も打つそうです。
手打ち冷麦なんて聞いたことがないですが、要するに蕎麦くらい細いうどんだそうです。山形だと麦切っていいますね。生地はネバリゴシとASWのハーフ&ハーフで。
この作り方がまたちょっと独特だった。
作り方は途中までは一緒なんだけど、生地を伸ばして麺棒に巻いた状態で、手の力で直接伸ばすのだ。
卒業式の筒を開けるみたいに、クイクイねじりながら上下に引っ張るんですよ。
こんな方法があるんですね。なんでもきしめん屋で見学した技だとか。
正方形に伸ばすと切りにくいので、切りやすい(食べやすい)幅の長方形にする。
超うすうす。
本当に冷麦の太さだ!
私も作りました。
たのしい!
超細麺のうどん、食べてもおもしろい!
細いのにモニュモニュ!
これはお礼に作らせてもらったカエルの卵ファルーダ。
ということで、ありがとうございました。
伸ばす時はさっさと力強くやらないと、生地が乾いてカピカピになるのが難しい。
製麺機もいいですが、やっぱり手打ちも楽しいですね。
平らなまな板、刃が平らな麺切包丁が欲しくなりました。
次は蕎麦打ちでお願いします!
※ちょっと買い物しませんか※
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