こんにちは、ヨーロッパ代表の玉置です。なにが?
2020年1月18日に新宿LOFTで、さるハゲロックフェスティバルが行われます。
なにやら縁があって、そこのフードブースのお手伝いをここ数年してきたのですが、今回は「ロックリンピックのヨーロッパ大陸代表として何か出してください!」というオファーを、フード取締役の小松ヌンチャクさんからいただきました。……ヨーロッパ?
ちなみに小松ヌンチャクさんはアフリカ代表だそうです。名前と国が一致しないね。
小松さんは「アフリカにいったことがあるだけでアフリカ代表なんて……」っていっていたけど、私はヨーロッパにいったことすらないよ!でもオファーありがとう!!
そんな訳でヨーロッパ代表の玉置標本です。
ということで、フードスペースで何を出そうかなと考えました。ちなみに昨年はカレー担々麺を出して大変だったので、もう麺類は出さないぞ!と固く心に誓ったものです。
よーく考えた結果、現場で製麺する生パスタにしました。
ほら、一年経つと苦労とか後悔とか忘れるじゃないですか。
ただヨーロピアンなソースは作る自信がゼロなので、そこは急遽さぐっちゃんさんに丸投げしました。ソースはさぐっちゃん、生パスタは玉置でお届けいたします。
そんなこんなで試作会をするために、生パスタの麺を打ちます。
作り方はこちらのサイトを参考にしました。自分の記事ですが。
A案の生地
パスタの生地は配合を変えて、2種類用意してみます。
まずA案から。水を一切使わず、卵黄たっぷりのモキュモキュスペシャルを目指します。小麦粉はデュラム小麦粉とかフランスパン用を取り寄せたのですが、一日違いで間に合わなかったのでスーパーで買ったやつです。
・強力粉(日清カメリアスペシャル):900グラム
・全卵6個(黄金色の輝き):305グラム
・卵黄6個(黄金色の輝き):106グラム
・塩:9グラム
・オリーブオイル:9グラム
※粉が900グラムと中途半端なのは、打ち粉用として残しているからです。
手回ししてもいいんですが、ニーダーがあるので使います。
大正電機 Lニーダー パンこね機 KN-1000がいいかと。
トウモロコシ粉の生地みたいですね。トルティーヤ作るんじゃないですよ。トルティーヤプレス買っちゃったけど。
ここから先は、手捏ねで滑らかにしていきますが、ちょっと固すぎ!これ無理!
水分が少なすぎたみたいで固まらないので、オリーブオイル9グラム、水9グラムを追加。
うわ、失敗。油を途中で足すと、生地の表面が滑らかになっちゃって、まとまってくれないという気付き。追加するなら水か卵白がいいですね。
水分は足りているけれど、一つにならないというジレンマ。さすが油だ。
それでも無理やりまとめて、ラップして一時間休ませて捏ねなおすというのを3回やって、これでA案の生地は終了。
こいつを麺棒で伸ばすのが面倒なので、小野式製麺機の2型を引っ張り出して、4つ割りにした生地を力づくで伸ばして、複合圧延を何度か繰り返します。
はい、できた。
B案の生地
続いてはB案の生地。こちらは全卵に水を加えた生地にします。これだと白身だけの目玉無し焼きを食べなくてすみます。小麦粉はA案と違うものを使ってみましたが、スペック的に全く一緒なので、変えた意味はなかったかも。
・強力粉(オーマイヨット):900グラム
・全卵6個(安い卵):326グラム
・水:99グラム
・塩:9グラム
・オリーブオイル:9グラム
このくらい水分があると、手捏ねでも余裕です。
まとめて1時間寝かせて捏ねなおすというのを3回。
ピッカピカの生地ができあがり。
もうちょっと固くてもよかったかな。
A案と同じように、四つ割りにして製麺機で伸ばします。
打ち粉をたっぷりとして、クルクル巻いて試作会の会場へ。
うん、ロールケーキにしか見えませんね。
試作会が楽しかった
試作会は某ラーメン店を特別なルートでで借りして行われました。アンザイさん、ありがとうございます。諸事情で店名などは秘密です。
製麺作業は日本の鋳物製製麺機ではなく、ヨーロッパ代表なのでアトラスのパスタマシンです。中華麺じゃなくてパスタだしね。麺帯にするところまで製麺機でやればこれで余裕。当日もこれです。2型の製麺機で伸ばした生地が、ちょうどサイズ的に合います。
さるフェスのフードを取り仕切る男、小松ヌンチャクさんは釣ってきたアマダイを持参。
「へー、製麺ってこうやるんだ!」
製麺機なら持ってるじゃない。でもパスタマシンは初めてなので興味津々。
製麺といえばこの男、マダラさんももちろん参加してます。
乾杯代わりにB案の生地を使って、1ミリの切り刃で作った細麺と、持参したスープでスープパスタを作ってくれました。
卵たっぷりの生パスタ、どう料理されるのでしょうか。
「はい、サンマ節のスープパスタです!」
スープパスタって、ラーメンじゃん!!
せっかくの生パスタになにすんだと一瞬思ったんですが、これが食べるとうまいんだ。
乾物独特のパンチの効いたスープに、歯切れの良いパツパツの細麺がすごく合う。生パスタだと思うと混乱するけれど、卵麺だと思えばばっちり。
卵が多いと麺の伸びも遅いので、意外と細麺がいいのかも。かんすいが苦手な人は、この麺でラーメン作るといいかもね。
余興はこれくらいにして、本番用の試作をします。
麺の厚さを微妙に変えつつ、ベストなパスタを探しましょう。
左がA案、右がB案。
6mmの切り刃でフェットチーネを作ります。
とりあえず麺だけの味を確かめてみましょうか。
「任せてください、油と塩だけでシンプルに味付けしますね!」
と、マダラさん。
「はい、できました!」
さすがマダラさん、旨味と辛みの成分たっぷりのピリ辛油そば!
すごくうまいけど、麺の違いがまったくわからない!!!
余興は本当にこれくらいにして、さぐっちゃんが本番用の組み合わせを探ります。
「スパイシーミートソースです!」
添えてあるのは唐辛子味噌じゃなくて、甘めの自家製チャツネ。上に乗っているのはヨモギかと思ったらカスリメティ。フェヌグリークの葉っぱだそうです。なるほどー、フェヌグリークがまずわからないけどOK!
うまい、これはうまい。うまいうまい。本当にフェスのフードブースで出すのこれ。
ここから麺の生地と厚さを変えて、何度か試作を繰り返します。珍しく真面目です。ダイヤルを一つ変えるだけで、同じ生地でも印象が全然違うんですよ。
生パスタで天空落とし!
黄身たっぷりのA案はモキュモキュ感が強く、このソースだとちょっと個性が強すぎるかな。
そこまでモキュモキュしないB案の生地で、5番の厚さがいいっぽいです。モキュモキュの麺ってなんだよって思った人は、当日注文してみてください。あるいは自分で製麺しよう。
さらにデュラム小麦粉を使ったり(翌日届いたので)、もうちょっといじってみます。ソースの味付けも、さらにブラッシュアップされることでしょう。さぐっちゃん、がんばって。
なんとなく本番用のレシピが固まってきたところで、小松さんが釣ってきて、マダラさんが捌いて湯引きにした、49センチのアマダイが登場!
さらにこの半身を、さるフェスカレー大会に見事優勝して、さるフェスでカレーを出すことになった六大陸目代表のツジメシさんが、B案の生地を1.5ミリで作った麺で冷やしパスタに!
オリーブオイルとレモン汁(レモンサワー用)と塩胡椒だけのシンプルな味付けながら、魚と麺がうまいからこれで十分!魚を持ってきた小松さんも「しかるべき人に任せて正解!」と納得の味。
細麺の生パスタを水で締めたものって初めて食べましたけど、これは可能性を感じますね。
さらにA案のスーパーモキュモキュ麺のフィットチーニで、我が家の冷凍庫から発掘されたヤマドリタケモドキ(ポルチーニ的なキノコ)と生クリームのパスタを作っていただきました。やばいうまさだこれ。
生パスタ会、楽しいな。
さらにアメリカ大陸代表(もちろん無関係)のオカヤイヅミさんが持参した、カレー味のスパイシーなカボチャプリンという謎多きスウィーツも。
これはフェスだと出てこないと思いますが、甘いんだけどスパイシーでかぼちゃ感もしっかりという、インドのデザート感があってうまい!
ということで、楽しい試作会でした。皆様さるフェスで会いましょう。
これだけ試作しておいて、全然違うパスタが出てきたらごめんなさい。
さぐっちゃんと私のパスタを出す時間は、終電が終わった後の真夜中になると思います。
※ちょっと買い物しませんか※
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