趣味の製麺

家庭用手回し式鋳物製麺機(小野式製麺機など)を使った、自家製麺のラーメンやうどんをを楽しんでいます。

渋さ知らズのフェス『渋大祭』で鬼頭さんが家庭用製麺機で作った麺でラーメンを出すと言い出した

 

 

 

鬼頭さん、フェスに製麺で出るってよ

渋さ知らズというバンドに、バリトンサックスプレイヤーの鬼頭哲さんがいる。

元々ラーメンが大好きで、宮城マリオさん経由で製麺会に参加したのをきっかけに家庭用製麺機を即購入して製麺にハマり、今では楽器を触っている時間よりも製麺機のハンドルを回している時間の方が長いという噂があるとかないとか。いや知らないけど。知らズ存ぜズ。

鬼頭哲さん、製麺の縁が無ければ決して知り合うことはなかったであろう人である。ほら見た目が怖いし。

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そんな鬼頭さんとは、一緒にタモリ倶楽部に出たり、やついフェスに出たり、同人誌「趣味の製麺」に原稿をお願いしたり、たまにライブを見せていただいているという仲だ。

 

で、そんな鬼頭さんから、9/16(月・祝)に開催される、渋さ知らズ30周年のフェス『渋大祭』の企画で、自家製麺のラーメンが出せないかと相談があった。

shibutaisai.com

 

ほほう、フェスで自家製麺とな。渋大祭ってつけ麺博みたいなフードイベントじゃないですよね。

さすがに普通の出店じゃないだろう。少人数を相手にするワークショップ的なものかなーと思っていたら、立派なキッチンカーを借りての本気モードに決定していた。わぉ、マジか。 

 

本当にフェスで製麺するらしいよ

ということでフェス当日、東扇島は釣りをしに何回かきたことがあるなーなんて思いながら朝7時に到着。

会場はすげー雨と防ぐものがない浜風で荒れていた。大丈夫かこれ。

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荒ぶる空、波立つ海、ぬかるむ大地。

これが川崎サウスサイドか。

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防水の登山靴で正解だったな。

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出演者用のリストバンドをいただいた。

人生いろいろあるな。

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ということで、渋さ知らズの関係者がやるスペシャルな企画出店『渋さ知らず食堂』というのがあり、その一つが鬼頭さんのラーメン屋さんなのだ。

フェスの物販グッズとしての、出演者が作る自家製麺のラーメンである。そんなの聞いたことないぞ。

作る量は200食。僕がグルコミとかでやる小型サイズじゃなくて、茹でる前の麺で150グラムのフルサイズ仕様だぜ。たいへーん。

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全員がふわっとした心持ちのままキッチンカーで諸々仕込み開始。

調理スタッフはやついフェスからの流れで参加された大変優秀な方々。

 

料理名はダジャレだったんだよ

作るラーメンは『汁なしラ(ーメン)ズ』

このネーミングが『しるなしらず=渋さ知らズ』と掛かっているは伝わっていたのかな。

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岩下の新生姜が使われているのは、協賛いただいているからだそうだ。

ありがたや、ありがたや。

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鬼頭さんが考えた秘密のレシピはこんな感じだったかな。

■タレ:醤油とみりんで鶏肉のミンチを煮たもの→鶏肉は具に使用

■油:ネギと魚粉を油で煮たもの→ネギは具に使用

■隠し味:岩下の新ショウガのつけ汁

詳しくは鬼頭さんにどうにかして聞こう。

※追記:鬼頭さんの書いたレシピはこちら

 

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そして主役である麺は、国産小麦(強力粉)を総加水率35%(水33:粉末かんすい1:塩1)で水回しした、打ち粉いらズの低加水生地をうまいこと1.5ミリまで圧延して(水分が少ないのでけっこう難しい)、小野式製麺機の2.2ミリ切刃で作る極太麺。

ほら、打ち粉が必要な加水率だと、茹でるお湯がすぐダメになるからね。

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田中式の大型と小野式の2型を並べて、リレー方式で製麺していく。

200食だと小麦粉だけで20キロ以上。

一体なにしているんだろう……とか考えたらだめだ。

肩と肘と腰が今も痛い。

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麺を茹でたら、タレ、油、新生姜の汁であえて、青ネギに新生姜、そして汁につけたウズラの卵を乗せたら出来上がり。

隠し味に新生姜の汁の甘酢っぱさが加わって、なんだかフェスっぽい味に仕上がっていた。うまい、これぞ青春の味(ただし敬老の日的な)。

やっぱり手作りの麺はうまいなー。

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このイベント、出演者はバンドやったりフードを売ったり、フェスというか、ものすごく大規模な文化祭という印象。

私は学生時代にこういうの全然参加していなかったけど、ここ数年は大人の文化祭的なものによく出るようになった。

すべてはヒデちゃんがスルメ好きの猫を飼いはじめたからだ(っていってわかる人いるのかな)。

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なんだこの行列は

そんなノホホンとした文化祭気分は、開場してすぐに伸びていくラーメン待ちの行列で吹き飛んだ。ながーい。

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あああ、大変お待たせしてごめんなさい。

極太麺なので茹でるのに時間が掛かるとか、キッチンカーは人の乗り降りで揺れるので鍋にお湯をたくさん入れられないとか、根本的に全員が素人だとか、厨房の様子がわかったのが当日はじめてだったとか、いろいろありまして。「趣味の製麺」の限界ですね。

ですよね、店長!

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途中で休憩を入れつつも、2時過ぎに予定杯数が完売。

ありがとうございました!

食べられなかった人は鬼頭さんにお願いしてください。

あるいは自分で作ってみてください。たのしいよ。

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フェスって楽しいな

ということで後片付けをしつつ、ラーメン屋のバイト終了後は客としてフェスを楽しませていただいた。

屋外型のフェスなんて一生縁がないなと思っていたけれど、午後からは天気も回復してくれて、これがすごくよかった。

このフェスはステージが大小5つあって、それが歩いていける範囲に点在していて、寝っ転がれるスペースがあったり、仮設トイレが十分あったり、すごくよかったんですよ。

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客席の一部が牛舎みたいにぬかるんでいたけど。

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ゴロンと転がりながら音楽を聴く。

イスかエアマットを持ってくればよかった。

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名前だけは知っているけど聞いたことがなかったバンドを、こうして生で見られたのが収穫。

クラムボンってここまでおしゃれなバンドなのかとか、ZAZEN BOYSの向井さんってこういう表現なのかとか、いろいろ謎が解けた。これがフェスか。フェス、良いですね。こういう空間で人間椅子とかマルコシアスバンプとかスカパラとか卍とかサーフコースターズとか大島渚とか見たいよ。

 

最後の渋さ知らズの演奏までみて帰宅。

鬼頭さんが演奏していてなんだか不思議だった。

製麺機を持ってステージに上がるかなと思ったら、手にしていたのはバリトンサックスだった。

そういえばラーメン屋の店長が本職じゃなかったね。

 

なんやかんやフェスを堪能させていただきました。

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それにしても自家製麺、しかも家庭用製麺機でフェスのフードでラーメンだよ。

家庭用だよ、この製麺機。

それで200食だよ、最初は300食とか言っていたけど。

いやわかる、気持ちはわかる。渋さのファンに俺のラーメンを一度食べてもらいたいという鬼頭さんの想いはよくわかる。

わかるけどーーーーーーーーーーー!

それは無理ーーーーーーーーーーー!

って思ったけど、ストップをかけず、やりたいこと(だったのかはよくわかりませんが)をやってもらってよかったかな。

こうしてまた一つ、アマチュア製麺業界に伝説が生まれたのであった。

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みなさんおつかれさまでした!

そして渋さ知らズ30周年、おめでとうございます!

次のラーメン屋ごっこは50周年のフェスでやりましょう!

 


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