デュラム小麦なのにセモリナ粉じゃなくて細挽きの粉がある
パスタ用の小麦粉といえばデュラムセモリナ粉だけど、製麺機で生麺を打つ場合はちょっと粗い。「デュラム」は硬質小麦の品種名で、「セモリナ」は粗挽き。デュラムセモリナ粉は「硬質小麦の粗挽き」。細挽きはフラワー。
デュラムの硬い質感だけど製麺しやすい細挽きの小麦粉、デュラムフラワー粉はないですか?と、小麦粉を買わせていただいている小宮商店勤務の粉の丸ちゃんに相談したところ、日清製粉のデュエリオを教えていただきました。
ただし業務用なので一袋25キロ。ひー。
じゃあせっかくなので……サンプルを少々いただきました。ありがたや。
さすがはデュラム小麦、ちょっと黄色いね。
硬質小麦なので、フラワータイプでも普通の強力粉よりもツブツブ感がある。粒子は細かいけれど硬い感じ。砂漠の砂っぽさのある粉。
左はカメリア(強力粉)、右はデュラムセモリナ粉。
デュラムフラワーで中華麺を打つ
これで素直に生パスタをつくってもいいんだけど、今回はあえて中華麺を試してみようかな。
夏で暑いので、生地がだれないように水分少なめがいいですかね。
粉の重量に対して、水36%、粉末かんすい1%、塩1%。
ニーダーでグルグルグルグルコサミン~。
水分が少ないのもあるんだけど、やっぱり粉の質が普通の強力粉とは違うみたいで、グルテンがビニョーンとつながる感じがない。サラサラだわ。まさにオカラ状態。
これでまとまるのかなーとちょっと不安だったけど、手で捏ねたら問題なくまとまった。かなり固いけどね。
それにしても黄色いな、さすがデュラム小麦。
これを冷蔵庫で二日ほど寝かせて(深い意味はなく食べるタイミングが無かった)、馴染みのガールズバーで出張製麺。
「あら、いらっしゃーい!」
というのは嘘で(上の女性が誰かは聞かないでください)、新橋の某「ひらの」という居酒屋で、出張製麺会に持参。くわしくはこちら。
イタリアンな担々麺にしてみよう
製麺機は我が家から里子に出したぶち猫さんのやつ。お元気そうで何より。
硬質小麦で低加水の硬い生地をグルングルン。
せっかくの両刃なので6ミリの切り刃でフィットチーネ風中華麺に。
製麺しているうちにちょっと乾いてきちゃったけど、半乾きが生パスタっぽいよね。いやこれはパスタじゃなくて中華麺なんだけどさ。
これをY店員が用意した担々麺にしてもらった。
あえて丼ではなく平皿にパスタっぽく盛ってもらう。
おー。
それっぽい。それってどれだ。
パスタ用小麦の細挽きにかんすいを加えて作った生地を日本の製麺機で平打ちした中華麺を担々麺にして食べるという情報量の多さ。糸唐辛子をパラリとか花椒をガリガリやりたいね。麺がイタリアンだからトマトソースとかタバスコでもいいかなー。
どんなもんかと食べてみると、口に入れた段階では硬質小麦の低加水らしいざらつきがある生パスタなんだけど(そんな麺は食べたことないが)、弾力がちょっと生パスタよりも強めで、喉を通るころにはどことなく中華麺で「あれ?」っとなる。
平麺のしっかりとしたボリュームと噛み応えが担々麺としてベストマッチ。なんだこれ、うまいな。
この麺の余りをお渡ししたのそ子さんが自宅で作った様子がこちら。中華に寄せると麺がパスタっぽいからバグるよね。
貰ったデュラム粉の製麺で挽肉、干し海老、搾菜、練り胡麻で担々和え麺にしたら見た目と味でバグった。青菜で中華寄りに補正。でもバグった(美味しかった) pic.twitter.com/q6tpaVH0Ys
— のそ子/羊毛フェルト動物本発売中 (@nosonoso) June 21, 2020
加水率を増やしてみよう
そして後日、粉がもうちょっとあるので、加水を増やしてみましょうか。
水38%、粉末かんすい1%、塩1.5%。塩が多いのは入れすぎたからだよ。
前回よりも水2%分しっとりした感じ。
これくらいがバランス良いかな。まあまあ硬いけど。
硬質小麦とかんすいの組み合わせ、すごく良い色になるな。
2ミリの切り刃でラーメン用にカット。
半分は幅広麺にするので、途中でカット。
卵麺とも違う明るい黄色。いいわー。
マゴチ出汁の醤油ラーメンだけどデュラム中華麺とかどうだ
さて食べ方ですが、あえて和風のラーメンにしてみましょうか。
ちょうどマゴチのアラを目的もなく煮込んだスープがあるね。
そして日々のダイエットとして食べている鶏むね肉。
作り方はこちらね。すごくいいよこれ。
マゴチのスープに昆布、ネギ、生姜を入れて、そこに鶏を蒸した汁と皮を入れる。
5分だけ煮込む。
さあ仕上げです。
デュラム中華麺を茹でます。茹で加減はやっぱりアルデンテですかね。
タレは冷蔵庫にあった継ぎ足して何が入っているのかよくわからない醤油ダレ、具はレンチン鶏むね肉と小松菜で。スープに脂っ気がないので葱油を少々。製法は以下。
はい、できました。
魚介スープの硬質小麦ラーメン。
茹でるとさらに麺が鮮やかだな。
食べてみると、パスタらしいパツパツ感と、ラーメンらしいツルツル感が共存した食感がおもしろい。これいいわー。国際結婚感ある。
マゴチの出汁が効きまくっている上品かつパワフルなスープにベストマッチかというとよくわからないが、とりあえずすごくうまい。
パツパツ、ツルツル、この麺いいわー。いやスープもうまいけど。
札幌味噌風ラーメンはどうでしょう
この黄色い中華麺、せっかくだから札幌ラーメン風にちぢれさせてみましょうか。
打ち粉をたっぷり振ってモミモミ。
基本がまっすぐになろうとする麺なので、あんまりちぢれがつかないかな。
札幌ラーメン風なので、せっかくだから味噌ラーメンですかね。
野菜をいためて、マゴチスープを入れて、具の鶏むね肉と味噌と醤油ダレを少々。
はい、できた。
イタリアに家庭の事情(奥さんがローマの人)で引っ越した札幌ラーメンの店「弩餐粉魂」の店主が現地で作った「イタリアン札幌味噌ラーメン」のバタートッピングっぽいね。あ、この店は実在しませんよ。
着色料なし、卵なしで、ここまで黄色いの不思議。
パツパツのプルプルにちぢれ麺のトルネードが加わって、さらに独特!
イタリアから「弩餐粉魂」を札幌に逆輸入したい!
もうトマトぶちこめばよかったかな。
普通に幅広のパスタとして試しましょうか
続いては幅広麺。生地を薄くしてから6ミリの切り刃でカット。
前回の麺よりも水分が多いから麺肌がしっとりしてるね。
見た目はフィットチーネそのまんま。
こちらは普通にパスタとして扱ってみましょうか。
ソースは冷凍庫に眠っていたヤマドリタケモドキ、ベーコン、タマネギ、水煮トマト、牛乳、オリーブオイルで。
はい、普通のパスタ!
食べてみると、95%はフィットチーネなんだけど、やっぱりプリッとする歯ごたえが中華麺。遺伝子と同じでこの僅かな差がたのしいんだ。
まあ言われないとかんすい入りだってわかんないけどね!
おっと、ヤマドリタケモドキの在庫がなくなったのでキノコ狩りにいかないと。
ということで、日清製粉デュエリオで打つ中華麺、おもしろかったです。
これに卵を加えたり、低加水極太麺を作ったり、さらに遊べそうなので、25キロ買おうかなー。あー。
■デュエリオ25キロ単位は小宮商店の丸ちゃんに相談だ!※通販やっていないので予約の上、店頭引き取り
■デュエリオ少量を楽天で探すならこちら「デュエリオ」。
■デュエリオ少量をアマゾンで探すならこちら「デュエリオ」。
※ちょっと買い物しませんか※
?