友人のご両親が遠方より上京しているということで、製麺機を持ってラーメンの出前に行くことにした。
あの人たちなら、きっと製麺機の素晴らしさをわかってくれるはず。まあ、私が製麺機を回したいだけなのだが。
今回、麺は加水率低めの博多風に挑戦。
強力粉1キロに対して、玉子2個(100グラム)、水250グラム、塩10グラム、かん水9グラム。
かん水が中途半端な量なのは、それしかなかったからだ。
玉子とあわせて350グラムの水分なら、どうにかまとまるかと思ったんだけれど、これが全然まとまらない。
寝かせてどうこうなるというレベルでもないようなので、仕方なく水を50グラム追加。
やれやれだぜ。
スープは鳥ガラ2羽分と豚骨1本、ネギ、月桂樹、ニンニク。
これを煮てアクをとったら、そこに熟成させた牛バラ肉を600グラム入れてみた。
牛バラチャーシューへの挑戦なのである。
圧力鍋で煮込み、途中で牛肉は取出し、他の材料はバラバラになるまで煮込んで濾す。この牛肉の香りが、今まで経験したことのないラーメンスープの扉を開くはず。
このスープとは別に、昆布、シイタケ、ニボシ、鰹節を水に一晩漬けておいてから、軽く煮たダシを用意し、これで割ってみることにした。
仕込を終えた翌日、友人宅へと出前。
本日の参加者は8人。
製麺機は諸事情で久しぶりに登場となる壱号機を持ってきた。
どうにか固まってくれたガチガチの生地を伸ばす。
コシがあるというよりも、水分が足りないという感じ。
久しぶりに見る製麺機壱号機は、とてもかっこよかった。
子から親へと伝えられる製麺の技術。
水分少な目のパッキリとした麺になった。もっと細くてよかったかも。
醤油ダレは、醤油と酒を同量にして煮立て、ニンニク、ショウガ、カツオパウダーを入れたもの。牛肉チャーシューと煮タマゴが漬けてある。
スープに醤油ダレを加えてスタンバイし、茹であがって麺を入れれば具を乗せれば完成。
予想以上に牛肉の香りが強い、牛肉醤油ラーメンとなった。
食べてみると、スープと麺のバランスが悪かった。
スープ単体で飲むと濃厚なコンソメスープのように美味しいのだが、噛むとキシュキシュするような、歯ごたえ重視の低加水太麺との相性が悪い。
このスープだったら、もっと水分が多くて、フニャフニャしたタイプがよかったな。
味付けのバランスもまた難しく、牛の臭みを消そうとダイダイの皮を少し入れてみたのだが、これは主張が強すぎた。
想像以上に牛バラ肉から出たダシが強く、全体的に文明開化の音がしそうな味となっている。
感じとしては、山形で食べた馬肉ラーメンが近いかな。
牛のチャーシューはまずくないけど、やっぱり豚の方が私の舌には合うようだ。
牛肉の扱いになれていないので、ちょっと不満なできとなってしまい、参加者に申し訳ない。
二杯目は得意の味噌バターラーメンにしてみたのだが、味がとっちらかってしまい、さらに訳のわからない仕上がりとなった。
牛肉とバターで相性いいかなと思ったが、お互いの主張がぶつかり合ってしまい、完成度を下げるという始末。あーあ。
この麺を生かすならば、二郎系のスープがいいのだろうか。
だいぶ前に一度食べただけなので、どんな味だったか忘れたけど。
本日のラーメンは、47点。
残念ながら、フードコートで食べた替え玉30円のラーメンのほうがおいしかったぜ。
ちなみにこの家に、普段使わない製麺機壱号機を置いておかせてもらおうという魂胆だったのだが、お母さんからの反対にあってしまい、残念ながら作戦失敗。
友人は「子犬なんて飼っちゃダメ!」と言われた子供のような目で、製麺機を見送っていた。