こんにちは。製麺してますか。
「麺の切り方に縦長と横長がある」という話を初めて耳にしたのはいつだったか忘れましたが(マダラさんからだったかな)、プロのラーメン屋さんから聞いたのは、某取材で訪れた「横浜ラーメンあばん」のご主人からでした。いわゆる家系的なラーメン屋さんです。
その店にあったなんかの雑誌の切り抜きを見ると、「麺の断面が縦長の長方形となっている」と書かれています。
なんすかこれってかっこいい店主に聞いたところ、「厚い麺帯を細い切り刃で切ったのが縦長、薄い麺帯を太い切り刃で切ったのが横長(きしめんのイメージ)」とのことでした。製麺所に特注しているそうです。
一本当たり同じ体積の麺だとしても、その歯ごたえは全然違うとか。へー。
確かにこのラーメンはとても美味しかったです。カメラマンが別にいたので手元に適当な写真しかないけど。
エクセルで図解します。
1.5ミリの厚さの麺帯(伸ばした帯状の生地)を2ミリの切り刃で切ると、断面の面積は3平方ミリメートル(実際は潰れるのでちょっと違いますが)。
2ミリの厚さの麺帯を1.5ミリの切り刃で切っても、断面の面積はこちらも3平方ミリメートル。
生地にはグルテンの方向性があり、縦長の方が噛み応えがでます。たぶん。縦長と横長のミルクレープだと、歯ごたえが違うかなというのはイメージできますかね。
幅が太いのではなく、生地の厚みがある麺。
また縦長は無理やり切り刃を通すことになるので、物理的に潰れて噛み応えが出るというのもあるかと。
ほら、プロレスラーだとジュニア(軽量級)の選手でも、一見すると細くても、胸板とかが縦(前後)に分厚くて実際に近くで見ると驚くじゃないですか。あれと一緒です。
こちらはラーメン二郎の麺。幅が広いうどんっぽい麺にみえますが、極厚の麺帯で作った高さがある麺……なのかもしれません。
家庭用製麺機で実際にやるとこうなります。
使うのはトーカイ麺機謹製の1.5ミリ切り刃を装着した小野式。詳しくはこちら。
1.5ミリで薄い麺帯を切ると、普通の麺。中華そばに最適。
生地を厚くすると、縦長の太麺に。
生地に負荷がかかるので(ハンドルも重い)、ちょと縮れが入ります。
もっと厚くすると、麺が極太トルネードになってきます。一気にすすると唇がブルンブルンします。
ここまでやると、ものすごくハンドルが重いです。
製麺機が壊れるのでやめましょう。
二郎とも違う麺になりました。二郎の麺帯の厚さと切り刃の幅ってどうなってんですかね。
小野式標準の切り刃で同じくらいのボリュームに切ると、こんな感じのストレート。正方形くらいかな。
小麦粉の塊感が素敵。素直なボリューム感があって、これはこれでおいしいです。ガチっとした、いわゆる昭和のレスラー体形。武蔵野うどんっぽいかもね。
どっちがいいという話ではなくて、噛み応え、すすったときの食感など、縦長と横長で結構違うよという話でした。
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