こんにちは。「作ろう!南インドの定食ミールス」はもうお手元にありますか。
……では二冊目どうですか。
さてこの本には沼尻さんと縁の深い南インド料理店の方々がエッセイを寄稿しているのですが、なんと編集者である私は、まだどこにも行ったことがないというね。
いやこれには理由があって、本を作っている最中にご挨拶を兼ねて行こうと思ったのですが、試作してレシピをまとめる上で、沼尻さん以外のミールスを食べてしまうと、私の味覚がぶれてしまうかなと不安に思って、ずっと我慢をしていたんです。ほらミールスのレシピというか、沼尻さんのレシピを記録する本だから。マサラワーラー鹿島さんのは食べちゃったけどね。
ということで、ようやく本も完成したので、一軒ずつ回っていこうと思います。
まずは西荻窪にある「とら屋食堂」さんから、ミールス教室のクラスメートといってきました。
基本的には気楽に食べていってほしい食堂とのことですが、現在は席数を減らしての営業なので、予約したほうが無難のようです。
西荻窪の路地裏に、突如現れる謎の店という感じが素晴らしい。カレーリーフの鉢植えがありますね。
ちなみにとても寒い日で、帰りにコンビニでネックウォーマーを買ってしまいました。
「MEALS READY」は、ミールスやってますよ!の合言葉。
注文は予約しておいたベジスタイルのランチミールス。
ワダとチャトニーがついている上、ワダ以外は全部お替りできて1200円ってすごいですね。自分で作ったことがあるからこそよくわかる、手間に対する値段の安さ。
オプションでアチャールやマサラオムレツ、ドリンクなども。砂肝やカキといったノンベジのアチャールなんていうのもあるんですね。
個人的な超おすすめは、一番下に書かれた沼尻さんのミールス本ですが!
そしてやってきたミールスがこちらです。パッと見た印象は沼尻さんが作る「ケララの風II」スタイルのミールスとよく似た内容ですが(お皿も似ているし)、これが意外と違いました。
左上のニンジンのトーレン(胡麻和えかと思った)は、チリホールやクミンで作ったペーストで味付けされた、ちょっと辛い大人の味付け。こういうトーレンもあるんですね。
衝撃的なピンク色の液体はビーツのパチャディ。豆乳ヨーグルトを使っていて、ミキサーで完全にペースト状にしているのが特徴。形こそ見えませんがマスタードシードがしっかり主張しています。
中央はカリフラワーのイステュ。ココナッツクリームとカシューナッツのコクがすごく、チリの辛さが隠れています。そして今日は寒いだったため、ニンニクを少し強めに効かせているそうです。
ラッサムは豆感がまったくなく、おすましのようにサラサラで、スパイスのだし汁にタマリンドの酸味と胡椒の刺激。沼尻さんが店で出していたという(習ったのは簡易版的なラッサム)、大量のホールスパイスを煮込む原価の高いラッサムがこれに近い味なのかな。
カードはプレーンヨーグルト。
その下のサンバルはナスとトウガン。とろとろに煮込まれた野菜と豆がしみじみおいしい濃厚タイプ。
ライスの上にはパパダムと、クミンなどが入ったリッチなダールがたっぷり。
そして左にあるワダがうまい。もちろん揚げたてで外側がザクザクで中はフワフワ。どうやら水分多めの生地を、さらに手にたくさんの水をつけて成型して素早く上げることで、水分が油の中で蒸発して、このザクザク感を実現しているようです。
チャトニの直球なココナッツ味、アチャール(マンゴーかな)の辛味と塩味がミールス全体を引き立てます。
やっぱりミールスは団体競技だなと再確認しました。
なんて好き勝手にコメントしてみましたが、多々間違っている部分があるかもしれません。機会があったら自慢のミールスをじっくり説明していただきたいですね。
そして今日はマトンのビリヤニが一つ残っているということで、そちらもいただいて同行者とシェアさせてもらいました。ライタとサラダ付き。
ビリヤニを食べるのは久しぶりですが(いやミールス教室の合間に沼尻さんのビリヤニを食べたな)、ミールスとは全然違うおいしさがあって、なんというか……強い!
しっかりと味のしみたバスマティライスをグイグイと胃袋に押し込んでいく感じ、やっぱり気持ちいいですね。
ベジミールスからのマトンビリヤニという贅沢ランチの締めは、寒かったのでマサラチャイをセレクト。
とら屋さんのチャイはシナモンを使っていないそうで、今日はジンジャー多め、カルダモン少なめの冬仕様だそうです。ものすごく温まります。
ということで、習ったミールスとは似ているようでいろいろ違う、とら屋食堂さんのミールスでした。違うことが理解できるようになった気がしてうれしかったので、長々書いてしまって恥ずかしいですね。
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